2013年5月27日月曜日

【書評】どうせ死ぬなら「がん」がいい

シカゴから帰国2日目、時差ぼけを何とか乗り越えながら、朝5:00前には目が覚め夜18:00には眠い、そんな今日この頃。

シカゴにいた時に薦められた本を購読。


どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)
作者 :中村仁一
    近藤誠
出版社:宝島社
発売日:2012/10/09




「死」が以前に比べ遠くなっている。昔であればそれこそ死床を一家全員で 迎えることも多かったであろうが今は、福祉施設で看取られたり、独り孤独に死んでいったり、また、病院で死床に立ち会わせたとしてもその「死」の瞬間見ているのは顔ではなくモニターだったりする。

「死」が間接的で、他人ごとで、身近なものではないのが現代。だからいざ「死」に直面したとき、必死で抗い、治療しようとする。

本書にはこう書かれていた。そして続けて、

こうした延命治療が効果を上げる(実際に寿命を延ばす)ということは全くなく多額の治療費を払って徹底的に苦しめ、「死」を早めている。

このように述べられている。

本書を読むまで私自身、がんになったら抗がん剤治療をして、回復に一縷の望みを託すのが当たり前だと思っていた。

しかし、この本に書かれていることは全く逆である。

がんは自然な死に方で、しかも治療をしなければ苦痛も少ない。がんが痛みを伴う苦しいものというイメージは、抗がん剤治療始め、体に異物をいれることによる副作用が原因で、仮に治療や摘出手術がうまくいってもその後すぐに再発し、地獄のような闘病生活の中で死ぬことになる。一方、治療しなければ苦痛がないどころか、長く生きることができるという。

現在、後期高齢者医療費が医療費全体に占める割合はなんと67%、高齢者を含めるとなんと80%にもなります。
(厚生労働省、「平成22年度年齢階級別1人当たり医療費」より算出)しかも医療費の2割は死ぬ直前に使われているらしい。(本書より)これには非常にビックリしたとともに本書を読んで非常にやるせなくなりました。

何故なら、長生きできるのならさせてあげたいと思うのが人のさがですが、そういう思いで使われている大量の医療費と税金が実際はこうした人々の気持ちと裏腹に寿命を縮め、苦しめ、医療界を潤すために使われているからです。こうした話はあまり公にされませんが、医療を提供する側にとって不都合なのだからそれも納得です。

しかもがん検診を受けたがためにがんでの死亡率が上がるというデータもあり、日本では長野県の泰阜村でがん検診を止めたら死亡率が半分以下になったというデータもあります。(本書「がんの集団検診をやめたら、がん死が減った」を参照)

開いた口が塞がらない話の連続です。

シカゴにいたときに聞いた話ですが、アメリカでは優秀な学生はもう医者にならないらしいです。もう医療とう業界が限界がみえていて、しかも需要まで減り、お金にならないからだそう。日本ではまだ優秀な学生を医学部にいれたがりますが、恐らく今後20年ほどで医療費の8割になる高齢者医療は激減すると思います。なんせ医療にかかればかかるほど死ぬのが早くなるんですから。

でも医療が寿命を延ばしてるというデータもいろいろあるんじゃ??

データなんて切り取り方で全く違う答えが出てきてしまうんです。
本書であげられていたのは、抗がん剤の効果は腫瘍が縮小すれば「効果あり」で実際に寿命が延びたか、長生きしたかは全く関係無いということや新薬なんかは人間じゃなくてネズミなんかでも「効果あり」、治療の際に多くでる消息不明(用は転院とか)の患者のデータを「抗がん剤を使って生きた」とし、抗がん剤を使ってない人は全員時間が経って「死んだ」とされる。こういうカラクリをして必死に「治療する意味」を訴えているんですね。

ということで「不安をあおってファンを増やす」医療のお世話になんかならずに、死ぬときゃ自然と穏やかに死にたいもんですね。





どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)
作者 :中村仁一
    近藤誠
出版社:宝島社
発売日:2012/10/09

2013年5月22日水曜日

MBAよりも新興国


少し前、面白い記事を見つけました。

その記事によれば、長らく主流だったグローバル人材、優秀な人材の育成として行われてきた、MBA派遣が魅力的ではなくなり、新興国派遣が主流になっていくらしい

その中で取り上げられているのは
サムスンの地域専門家制度とIBMのCorporate Service Corps(CSC)といわれるもので

サムスンの地域専門家制度は1990年からこの制度を導入し会社から一切指令を与えられず有給で現地で現地を「ぶらぶら」するもの
これによって現地理解が進み、新興国市場で大きな支持を得られているのだとか

IBMのCSCは新興国に1ヶ月間社員を派遣し現地の社会問題を解決するというもの

そしてこうした取り組みはICV(international Cooperate Volunteering)としてアメリカで急速に広がりを見せています。
またその利点として
・現地社会の肌感覚の理解
・事業部、国を超えたグローバル企業としての結びつき強化
・現地のニーズの理解
があげられていました。

これは超大切。
企業が海外に進出するときはこれが欠けていることが大きな要因です。
アメリカ企業がアジアに工場をつくるときにアジアがアメリカに比べて湿度が高く、本国の精度で機械をつくると、湿気にやられてすぐに壊れてしまいます。そんなのアジアで生活してない人がわからないですよね??

しかし、これだけでしょうか。


私もう一つ大事なものがあると感じます。

それは
・ゼロから何かを作る経験

企業は創業当時は新しいことの連続で、何もかもゼロから作り出さないといけません。
そこでは何もかもがチャレンジングで、クリエイティブです。辛いけれどやりがいがある仕事です。

しかし、企業が成熟していくにしたがって、そうしたものは体験できなくなります。
するとルーティンが増え、また業務内容もスペシフィックになっていきます。楽だけどやりがいの小さい仕事です。そして、企業が存続するためには、新しいものを作り、世の中に価値を提供しなくてはいけません。

多くの大企業が業績を低迷させ、次第に新規参入者に取って代わられるのはここに原因があります。
社員のときからチャレンジングでクリエイティブな、ゼロからつくる経験をせずに昇進していきなりその役割を担わなければいけなくなるのです。しかもそこには会社を背負う重圧があります。失敗したらダメージ100です。


一方で、新興国に社員を派遣してゼロからなにかをつくることをさせるとき、そこには失敗してもいいという気楽さがあります。失敗してもダメージ0か1です。そして若いうちにゼロから何かを作る経験をすることで実際に昇進し会社の命運を分けるような事態に生きてきます。大企業の陳腐化の原因になっているものを解消できるのです。


上記3つの利点に加えてこのゼロから何かを作る経験が新興国派遣の良いところです。

悪いところ??
・コスト上がる
・新興国が楽しすぎて戻ってこないかも
・戻ってからの仕事が退屈すぎてやる気が低下する

こんなところでしょうか。

派遣した社員が帰国後もチャレンジングでやりがいのある仕事ができる場所をつくらなくては意味がないわけですね。

いずれにせよ
体系的な知識が得られるけどそれを実践していくところまで得られない高価なMBAに比べて
安くて、実際に行動できる新興国派遣は超魅力的ってこと!
だって知識はgoogle先生がおしえてくれるもの。

そゆーこと

















2013年5月20日月曜日

【書評】統計学が最強の学問である

今回はちまたで話題??の
「統計学が最強の学問である」の書評です。
作者は元大学医療情報ネットワーク研究センターの副センター長で現在は調査・分析・システム開発、戦略立案をコンサルティングしています。
またHPにて内容のが掲載されています。


「統計学が最強の学問である」

統計ってそもそも学問だったのか!なんて方もいそうなぐらいで、それを最強だって??なにをいっているんだ!といわれそうな題名ですね。

学問といったら医学、化学、物理学などなどを想像して統計学になじみのある方は少ないのではないでしょうか??


かという私は大学の卒業論文の際にひたすらに統計に悩まされた経験があります。

どういうデータをとったらいいか、どうやって分析したらいいか、分析結果から示唆されることは何か。

今まで分統計分析などしたことのない人間がいきなりやるんですから酷な話です。

そしてこの本を読んだ感想は、
「卒論する前に読んどけばよかった〜」
です。
何故かというと統計を扱う際に気をつけるべきことがわかりやすく書いてあり、初めて耳にする統計用語をわかりやすく説明しているからです。

カイ二乗検定、t検定、回帰係数、ランダム化比較実験

統計学はなじみの薄い学問で正直何それ??っていうものが統計には多いかと思いますが、卒論を書くにはそれを勉強しなければいけません。

さらにその言葉を知ったからといってすぐに出来るようにはならずどう使うかはまた勉強しなくてはなりません。

本書では、そういったことがわかりやすく書いているので、本格的に勉強する前のさわりとしていいと思います。

また、
統計、もっと言えば数字、を知るということはこれからの時代に欠かせなくなると感じます。

何故かというと多くの世界ではエビデンスを数字に求めます。
身近な所だと降水確率は数字で表されています。普段30%やら50%やらといった数字を見ますが、この数字は実際の確率はコインの表がでる確率とか、サイコロで1の目がでる確率とかとは若干異なり、経験則に基づきます

以下はwikipediaより
予報の性質上、例えば、1つの予報区域に多数の観測点がある場合は、全地点で1mm以上の雨が降った場合を「雨が降った」と考える。降らなかった地点がある場合は、降った地点数÷全地点数×100(%)の的中率ということになる。
算出の際、1%の位は四捨五入するため、降水確率0%といっても実際には0から5%未満の値である(以前は関東地方や三重県など一部の地域で5%未満という数値が存在したこともあったが、現在は10%単位となっている)。4%だと0%になり、5%だと10%になるため、1%違うだけで大きな差が出てしまうのも特徴である” 

要は10回に〇回雨が降る確率じゃなくて10地点に〇地点雨が降る確率なんですね。

さらに降水確率は降水量とは関係ありません。
降水確率が低いからといって小雨なわけではないんです。

これだけだとまだ別に統計なんて知らなくてもいいじゃんと思うかも知れませんので別の例。

あなたはある新型ウイルスの検査を受けます。その検査の精度は99%で50万人に1人の割合で感染が見られるそうです。あなたはなんとその検査で陽性と結果がでてしまいました。

さてどう思うでしょうか

1. やばい死ぬ!人に移す前に死のう!
2. かかったものはしょうがない。余生を楽しもう!
3. どんなにお金をかけてでも治療を!必死に治す!






どれもはずれです。

4. 本当にかかっているか再検査

が正解。

でも99%の精度の検査なんじゃ?かかってない可能性は1%でしょ??

違います。

陽性という結果がでるひとは

1)本当は陰性で検査の誤りで陽性と判断される
2)本当は陽性で検査も正しく陽性と判断される

のどちらかです。そして
1)に当たる人は499,999 × 0.01 ≒ 5000人
一方
2)に当たる人は1 × 0.99 ≒ 1人

そう陽性と判断された人のほとんどは検査の誤りで判断された本当は健全な人なんです。

ということで、数字を知らないと人生を無駄にするかも。。。


ITが普及するにつれて情報量はどんどん増えます。
そうした時に情報を取捨選択し正しい情報を得るために欠かせないのが統計リテラシー(数字リテラシー??)になります。

ネットで検索すればすぐに驚きの情報が手に入りますがそのエビデンスを見てみて下さい。

20代女性8割のアンケートをとってさま一般にあてはまるかのようないい加減なものがいっぱいあります。

こうしたいい加減にだまされないためにも統計リテラシーをみにつけよう!

本書では、こうした何故統計リテラシーを身につけなくてはいけないのか、じゃあどう使うかってことがわかりやすくかいてあります。(本エントリーで用いた例は全く関係ありません)
みなさんも手に取ってみては??




 統計学が最強の学問である
作者 :西内啓
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2013/1/25

2013年5月17日金曜日

全ては3ヶ月で決まる


先日、別々にお会いした方から全く同じことをお伺いしました。
それは

「3ヶ月が勝負」

ということです。

初めて3ヶ月間でどれだけ成長するか。
その角度で1年、3年、5年、10年後どうなっているか決まるというのです。

というのは新しい環境になった際、最初はがんばれるけど、環境になれていくに従って変化させるのは大変になるので、最初のライフスタイル(仕事スタイル)が維持されるからだそう。

考えてみれば確かにそうで、新しい環境では、何もかも新しいのでがんばらざるを得ない(変化せざるを得ない)けど、慣れてきたら変化させる必要がないので、人間は怠け者で、無理やしんどいことをさけたがるものであるから、そのままの状態を維持するということですね。

これはある種の真理だと思います。
例えば、既存企業が新規企業に取って代わられるのも、既存企業より、新規企業の方が変化しようという意志が働くからであるし、
世界の中心(といっていいのかな)がイギリス→アメリカ→日本→中国と変わっていったことも同じような理由といえそう。

さらにアメリカがイギリスのマネをし、日本がアメリカのマネをし、中国(韓国もか)が日本のマネをして成功しているのは、後発者に有利があるからです。つまり先陣をきって新しいものを気づく仮定に注ぐエネルギーが必要なくその新しいものを手に入れることができ、余ったエネルギーを別の新しいものに注ぐことが出来るからです。加えて新参者の方が圧倒的にコストが安い!

だから今までの歴史を見て、反映がアジア→ヨーロッパ→アメリカ→アジアと移り変わっているのはある意味自然なことで30年ぐらいでアジアが世界の中心になって100年後にはアフリカに中心があるなんてことも全然あり得る。

ということで話がそれましたが、

入社3ヶ月くらいはどんな無茶してもなんとかなる。
そしてそれに慣れたらずっと無茶できる。

一方で最初に怠けたらそれに慣れるのでずっと怠けたまま。
成功できるかの分かれ目、それは

「3ヶ月」

2013年5月14日火曜日

The birth of a word - 言語習得の神秘


Deb Roy The birth of a word TED

言葉がどうやって習得されるのか。
以前書こうと思って書いていなかったテーマ
2011年に投稿されたTED動画でMITのデブロイは子どもの成長を9万時間にわたって絶え間なく撮影し、子どもの言語習得の過程を観察した研究について述べています。

"gaga"が"water"になる軌跡はなんともいえない素晴らしさがあります。半年間かけて実現した言葉の誕生です。

そしてその中で、言語環境も、子どもの成長に合わせて成長しているというのです。
いつも何気なく子どもにあわせて言葉を簡単にし、子どもが言葉を習得してから複雑にしていくという、フィードバックループが存在している。
人間の(言語習得に限らず)スキル習得の過程にPDCAがいかに自然なことか、ともいえるかもしれません。

以前第二言語習得論について書いたのですが
ただ勉強していても言語はできるようになりません。
(スキルは習得できません)
言語習得にはインプットの量が重要で、どんなに話そうとしてもインプットがなければできるようになりません。
耳から聞いて口からだすことがキーになります。

それに加えて、周囲の環境が自然とインプットの質を高めている(能力に応じて変えている)というのは驚きです。

さらに子どもの言語能力の発達には両親がどれだけこどもに話しかけたかが大きく影響することがわかっています。("Meaningful Differences in the Everyday Experience of Young American Children" Heart & Risely 1995)


Early Education for Allより
上記の実験では上流層、労働層、 貧困層の3層で子どもの言語発達がいかに異なるかを実験したもので
こどもたちが1時間当たりに耳にした言葉の数は上流層では平均2,153語、労働層では1,251語、 貧困層では616語であり、
3歳児のボキャブラリーはそれぞれ1,116語、749語、525語という結果が得られています。
(情報提供:シカゴ太郎さん)

「エチオピアの子どもたち」http://mohimohi-mohi.blogspot.com/2013/05/one-laptop-owe-child.html の時と矛盾していそうですが、親たちがなるべくコミットメントして子どもたちに話しかけるかが子どもの言語発達には重要といえます。
しかし、話しかけること、子どもの前で会話することが重要ですが、このとき「教える」ことが重要とはいっていません。大人たちはあくまで周囲環境として存在しています。むしろ子どもに積極的に言葉を聞かせるという行為は、子どもの会話する意欲を刺激して自発的な習得を促しているをもいえます。

例えばロイのプレゼンの中では母親が「water??」と問いかけ「Aaaa」と呼応している部分がありました。ここには「water(waterといいなさい)??」ではなく「water(お水が欲しいの?)」「Aaaa(お水ちょうだい!)」の会話が成り立っています。

ここには「Repeat after me」にみられる「教える」は存在していません。また、「water」問いかけと水がでてくるという一連の行為がwater = 水という体験知が蓄積し言語の習得に至っていることもわかります。


まとめると
・子どもの言語発達にはインプット量が鍵
・大人たちもそれを知っていて自然とインプットの質を高めている
・それは子どもに教えるという行為ではなくあくまで周囲環境

って感じですね。

それにしても言語習得の過程というものはなんとも不思議です。

今回はロイのプレゼンの後半部分には触れませんでしたがとても面白いのでぜひ見てみて下さい。
内容としてはコミュニケーションダイナミクスの可視化、といった感じでしょうか。

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独り言
今日はMBAみにいくど〜

2013年5月9日木曜日

【書評】海賊と呼ばれた男

かつて、日本には海賊と呼ばれた男がいた。。。
と始めたくなるタイトルですが、実際には
「青い空がどこまでも続いていた。」で始まります。
そして敗戦直後の日本、社員1000名を抱えたまま何も売るモノがないそうした状況で、社員の前でこう言い放つ。
「愚痴は止めよ。(中略)日本は必ずや再び立ち上がる。世界は再び驚倒するであろう」

冒頭からいきなり主人公、国岡鐡造の世界にひきこまれる。

そして物語は、日本の工業化から戦争、オイルショックと激動の時代をかけめぐる。

上下巻あわせ700ページにもなる小説だが最後まで退屈する部分がなかった。

ベストセラー「永遠の0(ゼロ)」の作者である百田尚樹の著書であり、第10回本屋大賞を受賞したこの「海賊と呼ばれた男」は、ある現実の人物の人生を描いた物語である。

それは先日のブログ『考える」人の未来』でも少し触れた出光佐三である。

というわけで、前回のブログを書いている際にもこの本を読んでいたのですが、

国岡(出光)という男は気違いです。
それと同時に、真の日本人です。

彼がいなければ、日本の高度経済成長はありえなかった。
(どころではなく、日本は未だに農業国かもしれない。)
彼の先見の明、気概、頑固さが日本終わった。と思う時を何度も救います。

そして、同時に考えさせられるのは、日本という国は過去を通して現在まで、何も変わっていないということ。
上には迎合し、下には、きつくあたる。ことなかれ主義、護送船団を代表に建前は立派で中身は既得権益の保護。

こうしたことに辟易しながらも、あきらめず、絶望の淵に追いやられながらも、あきらめず、日本のために行動する彼の姿はまさに海賊である。

エピソードがリアルに基づくだけあってリアリティがあり、それでいて、そんなまさか!というドラマチックさもあり、これは本屋大賞にも選ばれるよ!という納得の一冊。




海賊とよばれた男(上・下)
作者:百田尚樹
出版社:講談社
発売日:2012/07/12

2013年5月8日水曜日

快適なランニングを。アプリ紹介

今回は使っているアプリを紹介。

ランニングしよう!
そんな方にオススメのアプリ
それはこちら。
http://www.runtastic.com/ja

runtasticというアプリです。
このアプリでは
トライアルの時間とペースと距離を表示してくれます。








































































こんな感じです。
会員登録が必要ですが、自分がどれだけ走ったかを可視化できるのはモチベーションになります。 

また有料版では、走っていても声でペースや走行距離を読み上げてくれてペースを維持できます。

みなさんもアプリを使って快適なランニングを!



2013年5月7日火曜日

「考える」人の未来


「考える」といったとき何を思い浮かべるでしょうか。

クイズ、数学、自分の人生、ロダンの考える人、、、、
いろいろなものがあげられると思います。

考えるということは、人の生活に密着し、欠かせないものです。
考えることについてあのBlaise Pascalは「人間は考える葦である」といっています。
(原文はL'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant)

葦は弱いものの比喩で、
人間は自然の中で最も弱い存在である。
世の中には人間よりも強いものがたくさんいる
その気にならなくても自然は人間を簡単に殺すことができる。

しかし、人間は、それらよりも崇高な存在だ
何故なら、人間は自分が死ぬことも、自然が人間よりも優れていることを知っているからだ。

それ故、人間の尊厳は考えることにある。
だからよく考えるように努めよう。

このような意味です。

(蛇足になりますが「葦」という比喩はもう一つ人間の特徴を捉えています。それは「群れる」ということです。
人は弱い、だから群れる。そして群れから追い出されたくないが故に排他的な行動をする。パスカルがこのことをいっていたかは定かではないですが、人間の重要な特徴だと思います。)

また、哲学とはまさに考えることです。
哲学の対象は一定ではなく、「philosophia=philos(愛) + sophia(知)」が語源でした。
その扱われるテーマは真理や、本質、善、美など1つの答えのないもので、途方もなく考え、議論がされていました。

古来から人の営みは考えることと共にあったといえます。

そして日本の偉大なる経営者たちの多くも考えることを大切にしています。

松下電器の創業者、松下幸之助は「とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。」といっているし、

出光興産の創業者、出光佐三は小学校の頃から神経病と眼病を患い、読書よりも考えることを習慣としていました。そして、部下に対して何かを任せる時は徹底的に任せる。そうしないと部下に考える力が身につかない。そういう経営者でした。

さらに、ユニクロの創業者、柳井正は実行主義で、どんないいアイデアも実行しなければ、時間の無駄といっていますが、「全員経営」といって、全ての社員(アルバイト含む)に経営者の立場で考え、行動することを説いています。ただいわれたことをするのは経営者ではないということですね。

また、有名なブロガー、ちきりんさんは
「自分のアタマで考えよう」という著書で考える重要性を説いています。


自分のアタマで考えよう
作者:ちきりん
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2011/10




ちきりんさんのブログはこちら→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/ 

大前研一さんもその著書のなかで、先に進む前に考えて見て下さい。と思考を促しています。

多くの時代、様々な人が、考えることの重要性を説いているのです。

しかし、これだけ「考えること」が重要だとわかっていても、多くの人が、考えないことになれていると思います。自分はしっかり考えていると思う方も、周囲に考えないひとが多いのは感じませんか??

何故でしょう??
少し考えてみて下さい。






私なりの答えは、
「考えない方が楽だから」であり「考えさせない方が楽だから」
だと思います。
考えなければ悩まなくて良いし、疑問を持たなければ特に問題も起きず、そのままやり過ごせる。
また相手に対しても考えさせないで、教えた方が圧倒的に早いし、変に考えさせると、間違った答えにたどりついたりして、訂正がめんどう。だから部下の疑問は「そんなことより」と流してしまうんですね。

しかし、考えない人に未来はありません。
考えないとテンプレートの行動しか出来ず、いずれ、機械やロボットがその仕事をするようになるでしょう。また、不測の事態には対応できません。また、イノベーションを起こすなど夢の話でしょう。

つまり、「考えない」と今は楽でも将来は困るということです。

先日のエチオピアの子どもたちの記事(こちら)とも関連しますが、「熱心に教えよう!」などと意気込まずに「考えろ!」と突き放した方が子どもたちのためなのかもしれませんね。教えてしまう方がずっと楽ですが、教えない方が大切です。

考えない人に未来はないとか書いてしまった手前、考えない人だと自分で思っている方に救いの手を差し伸べなければいけませんね。ヒントは「ググれ」です。笑

近い将来、人の役割は考えることだけになるかもしれません。
記憶は全て機械が行い、家事も全て機械が行う(今だって掃除してくれるロボットありますよね?)、そして、生産活動も全部ロボット、ウェイターも販売員も全部ロボット。そんな世界です。
そこで生きれる人間は「考える葦」だけなのかも知れません。

えっずっと先の話??30年前にパソコンがここまで普及し、携帯電話が1人1台になり、スマホができ、SNSでつながりあうなんて予想してたひとがいますでしょうか??

あくまで「近い」将来の話ですが。。。




2013年5月5日日曜日

本当のサステイナブルとは PLANT - closed-loop food production


サステイナブルとは何でしょう。
What's "Sustainable"??English is below!!


よく言われるのは「持続的」とか「持続可能」です。
1992年にリオデジャネイロで開催された「第1回地球環境サミット」で環境保全が必要不可欠であることが提起され、そこでキーワードとなっていたのが「サステイナブル」でした。

ただただ発展、開発ではなく、人類の将来の資源を守ろう

そういう考え方です。


シカゴのPLANTという新しい団体をしっていますでしょうか??

彼らは、食料ビジネスのインキュベーターで、closed-loop food production(なんて訳したら良いでしょう??良い訳が思い浮かばない。。。)、持続的な経済発展を目指しています。

こんな感じ↓












みてわかるように外から取り入れているのは近隣から集めた食料廃棄物だけです。

食料廃棄物をエネルギーに変えてそれを使って植物を育て、ビール、キノコなどをつくり、魚を育て、魚のふんが植物を育て、植物が水をきれいにする。このようにしてできたものをレストランなどに売る。
それによってNet-Zero Energy Systemを構築し、さらには、Zero-Waste Productionをつくる
といった感じでしょうか。

これが実現できたらほんとうにすごい!

実際にみてみると小汚いビル1つの中で行っていてまだまだ規模が小さいですが、植物も魚もマッシュルームも実際に育っていました。育てていた魚はティラピア(Tilapia)というスズキのような魚で実際に近くのレストランに卸しているようです。
そして超巨大なDigesterを建設中でいよいよ規模を拡大し、本格的にやろう!!といった感じでした。
(Digesterは食料廃棄物をバイオガスに換える装置のようです。)

食料廃棄物をエネルギーに変えるというのは他にもありそうですが、彼らがAquaponicsと読んでいる 魚と植物のリサイクルシステム(廃棄がゼロですから完璧なリサイクル!!)と合わさりこれ画期的なものになっています。

まだまだ構想段階で実現しているのはその極一部ですが、是非応援したい取り組みです。



さて、最初に述べた「サステイナブル」に戻りますが、

人は生きていくために、多くのものを消費しています。

これは仕方がないことで、無理をして、我慢すればいいというものではありません。
もちろん節約は大切ですが(じゃあ明日から電気は使わないで!と言われてもできません。)

しかし、1つだけ誰にでもでき、誰も損(不利益)にならないものがあります。

そう、「無駄をなくすこと」
だれもいない部屋でがんがんにクーラーつけてたら無駄ですよね。だれも得しません。(電力会社だけ?)

ですが、これが難しい。灯りをつけただけで熱量という無駄がでますからね。
(彼らは発電したときの熱を利用して建物の温度管理をしているそう)
そして産業廃棄物。何か作るにしても金型に合わせて切り抜いたりしたらその切り抜かれた側の無駄がでます。こうした無駄、ごみがでている限りサステイナブルではないんです。

そこにきてのこのPLANTです。
彼らは食料というものだけに焦点を当てた時「無駄」がありません。
完全なサステイナブルが実現できます。

日本は食料廃棄大国でもありますから、こういう取り組みが日本でも行われればいいですね。

そして全部屋内で行えますので、塩害のひどい東北地方とか、
あるいは植物の育てられないシベリアや、砂漠など夢が広がります。

PLANTのHPはこちらhttp://www.plantchicago.com/

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English start!!

I visited the Plant, which is a new kind of organization
Their mission is "promote closed-loop food production and sustainable economic development"
And they are carrying out this mission by this!!


All their activity is in the loop except for Food waste from Neighboring Businesses.

It's great!! It's true sustainability!!
You can read the details on their HP here→http://www.plantchicago.com/

Thinking about Sustainability, we generate a lot of "waste",
Food waste, manufacturing waste….
And all electricity have waste,( generate heat we don't need)

but they use even heat !!

Our resources are limited, so we should lose waste!!
And We should let the world sustainable.

This is nice idea.

2013年5月1日水曜日

One Laptop per Child ー自立学習をするエチオピアの文盲の子どもたち



 (by TED.                 if you want,you can change subtitle below  http://www.ted.com/talks/nicholas_negroponte_on_one_laptop_per_child.html)

Do you Know "One laptop per Child"??
This is NPO founded by Nicholas Negroponte,( who established  MIT Media Lab with Jerome Wiesner)
And He revealed amazing thing about education.

In this NPO, they hand laptops to children in underdeveloped countries. And they provided children in Ethiopia with laptops,
however they never taught them how to use.

What happened there??

Here is quote from MIT Technology Review

"Within minutes of arrival, the tablets were unboxed and turned on by the kids themselves. After the first week, on average, 47 apps were used per day. After week two, the kids were playing games to race each other in saying the ABCs"

It's amazing, isn't it??

Over a long period of history, we are struggling to teach and cultivate children  in order that they become mature.
But in vain are we trying to do so at all times.
Furthermore, they can learn themselves!!

Education is fundamental and capital business for every countries, enterprise, and for every family, but we should let them free and never suffocate their curiosity to learn.

If you want to know more detail, watch movies and articles below.

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「One laptop per Child」という取り組みを知っていますでしょうか?
MITメディアラボの創設者Nicholas Negroponteが立ち上げたNPOです。
彼は、後発発展途上国の子どもたちに1000ドル以下のパソコンを配布しています。そしてエチオピアで文字も読めない子どもたちに1000台のパソコンを配りました。ただし、箱も開けず、使い方も全く教えません。

果たしてどうなったでしょうか??

以下にMIT Technology Review (http://www.technologyreview.com/view/429206/emtech-preview-another-way-to-think-about-learning/)からの引用を訳しました。
「数分のうちにパソコンは箱から出され、子どもたち自身の手によって電源が入れられました。1週間後、子どもたちは1日平均47個のアプリを使い、2週間後にはABCをいい、ゲームで競い始めました。」

今まで文字も読めなかった子どもたちがです。もちろんパソコンを見るのも初めてです。

数ヶ月後にはアルファベットの歌を歌い、さらにはスペリングもできるようになるらしいのです。そしてお互いに教え合うことさえもやりだします。

つまり、彼らの好奇心を押さえつけなければ、子どもたちは教えなくても、自分たちで学習することができるということではないでしょうか。

今の日本の教育では、全ての子どもに一様に、「教えます」
「1+1=2 」
「なんで1+1は2なの??」
「そんなことは考えなくていいから覚えなさい」
学校教育のどの段階をみてもそうです。
英語は未だにリピートアフターミーだし、
数学は公式の暗記、
歴史も暗記、
日本の教育は覚えてばかりです。

そして、得意なことも、苦手なことも、すべて同じ学年で同じことを教えられるのです。

そこに子どもたちの好奇心が介在する余地はありません。

確かに、戦後、高度経済成長期であれば、なるべく多くの子どもをそれなりに育てておけば、彼らの活躍する場はどこにでもあったかもしれません。

しかし、今はどうでしょう??

様々な産業で、当時より、30年分、50年分先に進んでいます。
つまり、それだけ、「勉強」することが増えたといえます。

そして「覚える」ことの価値は格段に低下しています。
もちろん知っていることは大切です。しかし、自分に必要のないことは「覚える」必要がなくなりました。
何故なら必要になれば「ググれ」ばある程度の所(相手と話していて会話になる程度?)まではすぐにキャッチアップできる時代になったからです。

学校で「教える」ということの価値はどんどん減っているということではないでしょうか?

そして、親や教師がやっきになって「教えよう」とすることが子どもたちの興味、好奇心を抑え、その可能性を摘み取ってしまっているのではないでしょうか?

ある意味「教」師の意義は終わりこれからは子どもたちの好奇心をできるだけ広げて、深めてあげる「チューター」もしくは「ナビゲイター」の方が必要なのかもしれません。
今の子どもたちは、ものごとを吸収しやすいその時期に、自分たちが子どもだったときの20年も進んだものに触れているんですから。

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興味のあるかたは下記動画、記事もどうぞ


Given Tablets but No Teachers, Ethiopian Children Teach Themselves|MIT Technology Review

EmTech Preview: Another Way to Think about Learning|MIT Technology Review


by TED

2013年4月30日火曜日

絶望の国の幸福な若者たち ー the happiest youth in the hopeless country


非常に久しぶり。というかやっていたの??という感じですが更新しました。
とりあえずの近況報告等はFacebookにお任せして、

「絶望の国の幸福な若者たち」作者:古市憲寿を読みました。

I read "the happiest youth in the hopeless country"( I translated)by Noritoshi Furuiti

Nowadays, Japan has many issues, such as aging population, low economic growth, irregular employment.
Indeed, the Great East Japan Earthquake struck us and it triggerd huge Tsunami  in 2011.
The  future outlook is gloomy.
However, 73.5% of Japanese twenties answered "satisfied" about daily life on the national survey in 2011("Public Survey about Living for Citizens"by Cabinet Office),in contrast, only about 50% in 1980's( in the middle of the period of high economic growth).
Are they happy in the hopeless country?? the answer is written in this book.
Japanese seniors worry about their youth. they often say "they became introvert. they don't want to buy goods".Is it true?? Also this is that the author concerned about.

Answer is "they didn't become introvert. they do want to consume, but the way is more sustainable.
and Are they happy?? it's difficult to answer but maybe much better than past"

It's quite interesting. I don't mention the detail, but if you want to know the detail, I'll try to tell you with my poor English!! 

最近日本では、近頃の若者は「内向的」になった「モノを買わなく」なったといわれている。(らしい)

日本は少子高齢化が進み、若者の非正規雇用、不景気が続き、さらには東日本大震災が日本を飲み込み、将来の展望はどす黒い。
こんな時、2011年度の世論調査では、現在の生活に満足しているか?という問いに73.5%の20代が満足しているとこたえている(内閣府「国民生活に関する世論調査」)。
年金、生活保障はかさみ、先人たちが将来にツケを回し、のんきに年金暮らしをする中、そのツケを一身に背負わされている若者たちはその先人たちより幸福度が高いのである。
そしてその先人たちは「近頃の若者は」と自分のことは棚に上げて、日本の暗い現状を「若者」のせいにしているのである。

でも、「若者」は幸せなんだからいいんじゃないの?
その通りである。でもほんとうに「幸せ」なのだろうか。

本書では最近の「若者」に関して、データをもとに論理的に分析されていた。

まず「内向的」かどうかについてはNO、本書にあげられていた「社会貢献意識の上昇」「海外留学者数は減少してるけど、海外留学者率は変わらない」ということだけでなく、一「若者」としての感覚として、昔は知らないけれど、まず学生中に海外いってないという人はほとんど聞かないし、昔であればなかなかいけなかったであろう国にいっている友人も多い(ガーナやブラジル、ペルー、ルーマニアetcでなかには南極にいった強者も)。
ソーシャルアントプレナーブームもあってか、起業する友人、ボランティアや、社会貢献活動をする人も非常に多い(実際にはボランティアする人の数は変わってないらしい)。

「内向的」になっているのはウソ!一部の暗いメディアがそれらしいデータ持ってきて騒ぎ立てているだけだろうと思う。学生運動が盛んな頃と比べ大人しくなったというのは否定しないけど、当時が異常なだけだし。。。

しかし、一方で、「入り口」が少ないというのは間違いないと思う。
バブル期であれば資金が潤沢にあって簡単に海外にいけたかもしれないけれど、今の若者は、海外に行くためには安い時給でこつこつバイトして貯めなくてはいけない。
そして何をするにしても許可が必要だ。震災時に募金活動をするために地方自治体に申請したがなかなかおりなかったというのはビックリした。

「内向的」の真相はここにあると思う。
ばりばり社会貢献したい若者→なかなか許さない、&若者に肩身の狭い思いをさせる先人
→実際の行動の減少→メディアが「内向的」と騒ぎ立てる→それを信じた大人が極一部の具体をあたかも一般のように話す→風潮が広まる。

何とも日本らしい構造。偉い人がYesといったらYesになるんですな。

物欲がなくなったというちまたの噂もウソです。ただ消費性向が変わっただけです。
昔みたく、無駄なものは余り買わない。昔よりサステイナブルな消費に変わったということらしいです。
そして買わなくなったといっても分母が圧倒的に減ってきてるんだからそりゃ購入数も減るわ!ということですね。20代の人口は2001年と比べて21%も減っているんだから。
クルマなんてのも今の若者にとってはコストがかさんでいらないだけってことですね。これは主に都市に住む若者の話で、地方の若者はやっぱりクルマほしがっているし。
テレビも一緒で、やはりみないものに大金だして買おうとしないということですが、何か気になることがあればインターネットで調べれば良い。でも未だに結構な若者がテレビを持っているし、見ている。そりゃ一日6:00もみている70歳以上の世代に比べたら少ないけれどそれでも一日平均2:00も見ているんですから。

だから購買が減っているのは事実だけどそれは絶対数が減ってる影響を考慮していないことが原因ってことですね。

みんなスマートフォンは大金をだして買う。パソコンも買う人が多い(これすらもスマートフォンがあればいらないという人も結構いるらしい本当か怪しいですが)。

まぁ世間が騒いでるほど問題ではないですね。
問題なのはここまで出生率を下げた政策担当者(子ども手当とかやって無駄に支出増やした政党もありましたが)、そしてこうした暗いネタをおもしろおかしく騒ぎ立てるメディア、そしてそれを何も考えずに信じる国民ということです。

そして、何故「最近の若者」は幸せなのかということです。
個人的な答えは「最近の若者」は「昔の若者」より幸せだし、「昔の若者」は「最近の若者」より幸せ
です。
つまり、個人は他者を自分よりも相対的に不幸だと思うことで幸せだと思っているということです。
「最近の若者」は今はコンビニで何でも買えるし、大してお金なくても友達とバーベキューができるし、スマートフォンで何でもできる。
「昔の若者」は今、「最近の若者」はこんな景気が悪いときでかわいそうだ、それに比べて自分が学生のときはよかった。と

しかし、日本は幸せな国になったのかというとそうではない。特に若者の将来は暗い。
本書に書かれていたのは 60歳以上世代は6500万円得するけれど20歳未満世代は5200万円損するらしい。
税金を払う現役層が減っていく一方、退職して年金暮らしをするひとが増える(特に団塊世代の引退)。
そして日本の賦課方式の年金制度では物価が高くなっているわけだから、今の60歳以上の人はものすごく甘い蜜をすうことになる(しかも当時は先行きが明るかったからばんばんお金を使えた)。こうした圧倒的な世代間格差が現在の日本である。そしてさらに悪いことに多くの若者がそのことに気づいていない。もしくは気づいていても、上をがっちり利権で固められ入る余地がないなかであきらめている。

現状から少しでも変えようという人が現れない限り、日本の未来は。。。

自分も若者ということを忘れていろいろ書いたけれど、本当に多くの課題が日本には山積みで、チャレンジングで、ある意味では幸せなのかもしれない。


世間でいわれている話は実際はどうなのか、また、現在の日本の現状、若い人にも、今、現役ばりばり世代の方にも、引退された方にも読んで頂きたい本です。


絶望の国の幸福な若者たち
作者:古市憲寿 
出版社:講談社
発売日:2011/09/05



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Days in Chicago 
Chicago is inconvenient without cars,
but I'm really enjoying.