2013年5月20日月曜日

【書評】統計学が最強の学問である

今回はちまたで話題??の
「統計学が最強の学問である」の書評です。
作者は元大学医療情報ネットワーク研究センターの副センター長で現在は調査・分析・システム開発、戦略立案をコンサルティングしています。
またHPにて内容のが掲載されています。


「統計学が最強の学問である」

統計ってそもそも学問だったのか!なんて方もいそうなぐらいで、それを最強だって??なにをいっているんだ!といわれそうな題名ですね。

学問といったら医学、化学、物理学などなどを想像して統計学になじみのある方は少ないのではないでしょうか??


かという私は大学の卒業論文の際にひたすらに統計に悩まされた経験があります。

どういうデータをとったらいいか、どうやって分析したらいいか、分析結果から示唆されることは何か。

今まで分統計分析などしたことのない人間がいきなりやるんですから酷な話です。

そしてこの本を読んだ感想は、
「卒論する前に読んどけばよかった〜」
です。
何故かというと統計を扱う際に気をつけるべきことがわかりやすく書いてあり、初めて耳にする統計用語をわかりやすく説明しているからです。

カイ二乗検定、t検定、回帰係数、ランダム化比較実験

統計学はなじみの薄い学問で正直何それ??っていうものが統計には多いかと思いますが、卒論を書くにはそれを勉強しなければいけません。

さらにその言葉を知ったからといってすぐに出来るようにはならずどう使うかはまた勉強しなくてはなりません。

本書では、そういったことがわかりやすく書いているので、本格的に勉強する前のさわりとしていいと思います。

また、
統計、もっと言えば数字、を知るということはこれからの時代に欠かせなくなると感じます。

何故かというと多くの世界ではエビデンスを数字に求めます。
身近な所だと降水確率は数字で表されています。普段30%やら50%やらといった数字を見ますが、この数字は実際の確率はコインの表がでる確率とか、サイコロで1の目がでる確率とかとは若干異なり、経験則に基づきます

以下はwikipediaより
予報の性質上、例えば、1つの予報区域に多数の観測点がある場合は、全地点で1mm以上の雨が降った場合を「雨が降った」と考える。降らなかった地点がある場合は、降った地点数÷全地点数×100(%)の的中率ということになる。
算出の際、1%の位は四捨五入するため、降水確率0%といっても実際には0から5%未満の値である(以前は関東地方や三重県など一部の地域で5%未満という数値が存在したこともあったが、現在は10%単位となっている)。4%だと0%になり、5%だと10%になるため、1%違うだけで大きな差が出てしまうのも特徴である” 

要は10回に〇回雨が降る確率じゃなくて10地点に〇地点雨が降る確率なんですね。

さらに降水確率は降水量とは関係ありません。
降水確率が低いからといって小雨なわけではないんです。

これだけだとまだ別に統計なんて知らなくてもいいじゃんと思うかも知れませんので別の例。

あなたはある新型ウイルスの検査を受けます。その検査の精度は99%で50万人に1人の割合で感染が見られるそうです。あなたはなんとその検査で陽性と結果がでてしまいました。

さてどう思うでしょうか

1. やばい死ぬ!人に移す前に死のう!
2. かかったものはしょうがない。余生を楽しもう!
3. どんなにお金をかけてでも治療を!必死に治す!






どれもはずれです。

4. 本当にかかっているか再検査

が正解。

でも99%の精度の検査なんじゃ?かかってない可能性は1%でしょ??

違います。

陽性という結果がでるひとは

1)本当は陰性で検査の誤りで陽性と判断される
2)本当は陽性で検査も正しく陽性と判断される

のどちらかです。そして
1)に当たる人は499,999 × 0.01 ≒ 5000人
一方
2)に当たる人は1 × 0.99 ≒ 1人

そう陽性と判断された人のほとんどは検査の誤りで判断された本当は健全な人なんです。

ということで、数字を知らないと人生を無駄にするかも。。。


ITが普及するにつれて情報量はどんどん増えます。
そうした時に情報を取捨選択し正しい情報を得るために欠かせないのが統計リテラシー(数字リテラシー??)になります。

ネットで検索すればすぐに驚きの情報が手に入りますがそのエビデンスを見てみて下さい。

20代女性8割のアンケートをとってさま一般にあてはまるかのようないい加減なものがいっぱいあります。

こうしたいい加減にだまされないためにも統計リテラシーをみにつけよう!

本書では、こうした何故統計リテラシーを身につけなくてはいけないのか、じゃあどう使うかってことがわかりやすくかいてあります。(本エントリーで用いた例は全く関係ありません)
みなさんも手に取ってみては??




 統計学が最強の学問である
作者 :西内啓
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2013/1/25

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