2013年5月7日火曜日

「考える」人の未来


「考える」といったとき何を思い浮かべるでしょうか。

クイズ、数学、自分の人生、ロダンの考える人、、、、
いろいろなものがあげられると思います。

考えるということは、人の生活に密着し、欠かせないものです。
考えることについてあのBlaise Pascalは「人間は考える葦である」といっています。
(原文はL'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant)

葦は弱いものの比喩で、
人間は自然の中で最も弱い存在である。
世の中には人間よりも強いものがたくさんいる
その気にならなくても自然は人間を簡単に殺すことができる。

しかし、人間は、それらよりも崇高な存在だ
何故なら、人間は自分が死ぬことも、自然が人間よりも優れていることを知っているからだ。

それ故、人間の尊厳は考えることにある。
だからよく考えるように努めよう。

このような意味です。

(蛇足になりますが「葦」という比喩はもう一つ人間の特徴を捉えています。それは「群れる」ということです。
人は弱い、だから群れる。そして群れから追い出されたくないが故に排他的な行動をする。パスカルがこのことをいっていたかは定かではないですが、人間の重要な特徴だと思います。)

また、哲学とはまさに考えることです。
哲学の対象は一定ではなく、「philosophia=philos(愛) + sophia(知)」が語源でした。
その扱われるテーマは真理や、本質、善、美など1つの答えのないもので、途方もなく考え、議論がされていました。

古来から人の営みは考えることと共にあったといえます。

そして日本の偉大なる経営者たちの多くも考えることを大切にしています。

松下電器の創業者、松下幸之助は「とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。」といっているし、

出光興産の創業者、出光佐三は小学校の頃から神経病と眼病を患い、読書よりも考えることを習慣としていました。そして、部下に対して何かを任せる時は徹底的に任せる。そうしないと部下に考える力が身につかない。そういう経営者でした。

さらに、ユニクロの創業者、柳井正は実行主義で、どんないいアイデアも実行しなければ、時間の無駄といっていますが、「全員経営」といって、全ての社員(アルバイト含む)に経営者の立場で考え、行動することを説いています。ただいわれたことをするのは経営者ではないということですね。

また、有名なブロガー、ちきりんさんは
「自分のアタマで考えよう」という著書で考える重要性を説いています。


自分のアタマで考えよう
作者:ちきりん
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2011/10




ちきりんさんのブログはこちら→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/ 

大前研一さんもその著書のなかで、先に進む前に考えて見て下さい。と思考を促しています。

多くの時代、様々な人が、考えることの重要性を説いているのです。

しかし、これだけ「考えること」が重要だとわかっていても、多くの人が、考えないことになれていると思います。自分はしっかり考えていると思う方も、周囲に考えないひとが多いのは感じませんか??

何故でしょう??
少し考えてみて下さい。






私なりの答えは、
「考えない方が楽だから」であり「考えさせない方が楽だから」
だと思います。
考えなければ悩まなくて良いし、疑問を持たなければ特に問題も起きず、そのままやり過ごせる。
また相手に対しても考えさせないで、教えた方が圧倒的に早いし、変に考えさせると、間違った答えにたどりついたりして、訂正がめんどう。だから部下の疑問は「そんなことより」と流してしまうんですね。

しかし、考えない人に未来はありません。
考えないとテンプレートの行動しか出来ず、いずれ、機械やロボットがその仕事をするようになるでしょう。また、不測の事態には対応できません。また、イノベーションを起こすなど夢の話でしょう。

つまり、「考えない」と今は楽でも将来は困るということです。

先日のエチオピアの子どもたちの記事(こちら)とも関連しますが、「熱心に教えよう!」などと意気込まずに「考えろ!」と突き放した方が子どもたちのためなのかもしれませんね。教えてしまう方がずっと楽ですが、教えない方が大切です。

考えない人に未来はないとか書いてしまった手前、考えない人だと自分で思っている方に救いの手を差し伸べなければいけませんね。ヒントは「ググれ」です。笑

近い将来、人の役割は考えることだけになるかもしれません。
記憶は全て機械が行い、家事も全て機械が行う(今だって掃除してくれるロボットありますよね?)、そして、生産活動も全部ロボット、ウェイターも販売員も全部ロボット。そんな世界です。
そこで生きれる人間は「考える葦」だけなのかも知れません。

えっずっと先の話??30年前にパソコンがここまで普及し、携帯電話が1人1台になり、スマホができ、SNSでつながりあうなんて予想してたひとがいますでしょうか??

あくまで「近い」将来の話ですが。。。




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